無料素材を使う前に考えたいこと

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よーすけ
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Webサイト・LP・動画・バナー・etc…
クリエイティブの制作には素材がかかせません。

昨今、さまざまな素材サイトがあり、人物画、イラスト、背景、装飾など、高品質な素材が無料でも手に入る時代になりました。

だからこそ、あなたは「無料だから」という理由で素材を選んでいませんか?
今回は、無料素材を使う前に考えておきたいことについてお伝えしたいと思います。

クリエイティブの制作を依頼するクライアントの方、そのクライアントから素材を配給される制作者の方、素材の選定を行う制作者の方、全員にご一読いただきたいです。

素材を選ぶ理由

数多く存在している素材サイトから、あなたがその素材を選んだ理由が「無料だから」なら、その考えは見直すべきかもしれません。

これから作るクリエイティブに対して、素材の価格を選定基準にするのは制作目的を見失っていませんか?
大事なのは、なぜその素材が必要になったのかではないでしょうか。

クリエイティブを作るうえで素材は、そのクリエイティブで伝えたいメッセージを表現する重要なパーツの一つです。

あなたが行う素材選びで、コンセプト、世界観、印象が正しく伝わることもあれば、瓦解してしまうこともあります。

無料だからという理由が優先され、クリエイティブの素材を選ぶのではなく、どんな目的で、どんな狙いがあって必要とされているのかを理解し、伝えたいメッセージを的確に表現するための素材選定が求められます。

素材を探すまでのプロセス

本来は伝えたいメッセージからクリエイティブを制作していくのですが、そこが抜け、「ここに人物を置きたい、装飾があったほうが華やか」という理由だけになってしまっているのなら、なぜその人物が必要なのか、なぜその装飾があるべきなのかを、クリエイティブが伝えたいメッセージと照らし合わせて見直しましょう。

その素材を使うことで、クリエイティブを目にするユーザーにどのような印象を与えるのかを考えなければいけません。

無料素材が与える印象

無料素材を使う前に考えることは他にもあります。
それは、素材が与える印象についてです。

先ほども伝えたように、根底には「クリエイティブが伝えたいメッセージ」を表せているかが大切だと考えています。

なので、そのメッセージを正しく伝えられる素材選びができているかは常に意識を配りたいところです。

特に、無料素材というのは、無料であるからこそ多くの人に重宝され、さまざまなクリエイティブに利用されています。

よく見かける人物素材
よく見かける人物素材

例えば、この人物の素材をよく見かけませんか?
これは、ある素材サイトで入手することができる人物の素材になります。

この男性の素材は、スーツでポーズや表情も多いため、ビジネスシーンのクリエイティブにとって需要の高い素材なのかもしれません。

では、実際にあなただったらこの素材を使用しますか?

僕だったら、この素材は使用しないです。その理由は2つあります。

よく見かける素材には先入観・既視感がある

おそらく、先ほどの素材はクリエイティブに携わる人だとかを抜きにしても、誰もがよく見かける人物だと思います。

つまり、それだけこの素材が使われているということで、この素材の人物に対してユーザーのさまざまな先入観が存在しているといえます。

その先入観が良いものならいいのですが、無料で手に入ってしまう素材がゆえに、必ずしもクリーンなイメージだけとは限りません。

悪質な情報商材、アダルト系、過剰な商品広告といった、ブラックやグレーに近しい利用用途にも使われている可能性も高いです。

もしユーザーが、実際にそういったクリエイティブを目にしていた場合、この素材の人物を目にしたときの印象はどうでしょうか?

マイナスな印象ほど強く残るもので、今回作ったクリエイティブがどんなにクリーンなものでも、過去のマイナスな印象に引っ張られてしまうかもしれません。

素材が与える既視感・先入観

マイナスな印象がなかったとしても、「この人物に見覚えがある…」といった既視感を与え、本来伝えたいメッセージの阻害になります。

商品の購買を促すためのクリエイティブだった場合、商品に興味関心を持ってもらう必要があるのに、第一印象が素材の人物になってしまっては、余計なノイズとなり、商品購買の足かせになりかねません。

素材選びがノイズになる

もちろん、その既視感を利用して目に止めてもらいたいということであれば、あえてよく見かける素材を利用するのも一つの手なのかもしれません。

しかし、その素材に対してどんな先入観を持っているかわからない以上、伝えるべきメッセージよりも素材が注目されてしまうのは避けるべきだと思います。

過剰なポーズや表情は怪しい

主に人物素材に言えるのですが、過剰なポーズや表情を避けるようにしています。
演出されたポーズや表情には怪しさ・怖さがあるからです。

これは、前述した先入観や既視感を増長させることにもつながると考えています。

では、過剰なポーズや表情がどういうものなのかというと、日常で見かけないようなポーズや表情だと思っています。

例えば先ほどの素材を例にした場合、あなたの商談相手の営業マンが、このようなポーズと笑顔で打ち合わせに臨んできたらどうでしょうか?笑

イメージ画像

少なくとも僕は、怪しさや怖さを感じます。

対面でそのように感じるということは、クリエイティブを目にしたときにも同様の印象を与えるものと思いましょう。

日常で見かけない不自然なものというのは、怪しさや怖さという引っ掛かりを相手に与えてしまいます。
イラストや絵画などでは、あえて引っ掛かりを生むために不自然さを取り入れるという手法もありますが、ビジネスの場でのクリエイティブにおいてそれは必要とは思いません。

なので、人物の素材を選定する場合は、伝えたいメッセージやクリエイティブのトンマナに合わせて、自然なポーズや表情のモデルさんを選ぶようにしています。

また、なるべく素材の既視感や先入観につながらないように、多くの人が利用する無料素材からは選ばないようにするなど、慎重に素材選定を行っています。

まとめ

ここまで、無料素材を使うことを是としないような伝え方をしてきましたが、そうではありません。
冒頭でも述べたように、昨今、無料素材でもクオリティの高い素材が手に入る時代になりました。

その中には商用利用も許可された素材も多くありますから、個人を問わず、企業でも無料素材が利用されています。もちろん、僕自身も無料素材のお世話になっていますし、素材サイトの運営者さまには日々感謝しています。

ですが、無料という理由でそれらを使うことには反対です。

どんな目的や狙いがあって制作するクリエイティブなのかを理解し、伝えたいメッセージをどうすれば表現できるかで素材を選ぶようにしています。

その中で、それが無料であれば無料、有料であれば有料の素材サイトを利用するだけのことではないでしょうか。

基本的にクリエイティブで使用する素材はクライアントから支給される。ないし、こちらで選定したものを必要があれば購入いただくなどの形で進めていくことが一般的です。

クライアントが「ご予算の都合で…」ということであれば、無料素材を選ぶことを前提とすることも仕方ないですが、最近「Web制作は無料素材が豊富で、それらを使用すれば設備費や材料費がかからない」という考えでこの業界に足を踏み入れる方が増えていると聞きます。

そういった方々に、クライアントであるあなたが制作の依頼をしてしまわないように。そして、もしあなたが制作をする側であるならば、「材料費がかからない」という理由で素材を選ぶことのないようにとこの記事を執筆してみました。

Wepotでは、クライアントの課題やお悩みに対しクリエイティブの力で解決していきます。
そのクリエイティブで何が求められているのか、何を目的としているのかを考えた制作を行います。

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この記事を書いた人
よーすけ

よーすけ
グロースハッカー / デザイナー / ディレクター

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すべて平均点より一歩上ができる器用貧乏。という言葉がピッタリな人。 Webデザイン・HTML/CSSコーディング・ディレクション/企画・ライティング・動画撮影/編集といった幅広い領域のWeb制作(+管理職)を経験してきたため、さまざまな視点を持ち合わせている強みがあります。 声優の高野麻里佳さんが大好きです!

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