Webサービスの利用が快適に!ソーシャルログインの基本解説


現在ではSNSをはじめ様々なサービスやアプリケーションが提供されており、新規サービスを利用する機会も多いと思われます。このとき、ほとんどのサービスで新規アカウント登録やアカウント管理が求められるのではないでしょうか。
そんな新規登録やその後のログインで便利な機能が、「ソーシャルログイン」です。今回は、ソーシャルログインについてメリットや注意点、利用状況の調査結果もふまえて解説します。
目次
ソーシャルログインとは
Webサービスの初回利用時は、サービスごとに新規アカウントの登録がしばしば求められます。アカウントはサービス内で利用者を識別するために必要な情報で、通常はメールアドレスや独自のIDとそれに紐づくパスワードを設定し、氏名やメールアドレスなどの基本情報、個人情報を保存する必要があります。
しかし、この登録にソーシャルログインを導入すると、サービスの利用がとても簡単になります。

ソーシャルログイン
Webサービスにログインする際、新規アカウントを作成せずに、すでに登録している SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)やメッセンジャーアプリなど他のアカウント情報を利用して、そのままログイン(認証)できる仕組み。
いかがでしょうか、実は日常的にソーシャルログインを使用していたのではないでしょうか?
ソーシャルログインのメリット
ソーシャルログインには、ユーザーとサービス提供者のどちらにもメリットがあります。
ユーザーのメリット
まず、ユーザーのメリットは以下の3つです。
- 登録の簡略化
- アカウント管理の負担軽減
- セキュリティの強化
登録の簡略化
以前登録したアカウント情報を流用するため、情報を入力する手間が省けます。当然、入力ミスも起こりません。
1クリックや1タップで登録できるので、新規登録に対する抵抗やストレスも減るのではないでしょうか。
アカウント管理の負担軽減
ソーシャルログインが導入されていると、利用するサービスが増えても、保有するアカウントは増えません。(一度登録すると、次回は登録済みの該当アカウントを選択して再度ログインできます。)
つまり、登録情報に変更があった場合も少ない修正で済み、パスワードの管理も簡単になるのでアカウント自体の管理がしやすくなります。
セキュリティの強化
アカウントの個人情報は、ソーシャルログインを行うもとのサービスのセキュリティが適用されます。最近は二段階認証が主流になっており、個人の使用端末を都度確認しているので、不正ログインを防ぎやすいです。
二段階認証(二要素認証)
あらかじめ登録している認証方法(パスワード)にくわえて、他にもうひとつ別の認証方法(メールや電話番号、スマートフォンアプリによるワンタイムパスワードや指紋の生体認証など)を組み合わせて、本人確認の精度と安全性を高める仕組み。
サービス提供者のメリット
つづいて、サービス提供者には以下のメリットがあります。
- 新規登録者の増加
- ユーザー情報の取得
- 再利用者の増加
新規登録者の増加
ユーザーのメリットにある登録の簡略化によって新規登録のハードルが下がるため、今まで登録が壁になっていた(情報の入力画面で登録を断念してしまう)ユーザー層も獲得できます。
ユーザー情報の取得
サービス提供者は、ソーシャルログインに用いられたサービス上の情報を参照するため、もととなるアカウントに登録されている情報を取得可能です。もとのサービスでどこまで情報が登録されているかによりますが、より個人に向けた局所的な施策を打てる可能性があります。
再利用者の増加
前回の利用から間が空いて久しぶりにログインするサービスでは、IDやパスワードが思い出せずログインできないという状況が起こり得ます。こうなると、ログインのためにパスワードの再発行やアカウントの再登録の手続きが必要となります。
そして、この手続きが壁となり、利用をあきらめるなんてケースも考えられます。ソーシャルログインでは、久しぶりの再利用者もすんなりログイン可能です。
ソーシャルログインの注意点
一方、場合によってはそれぞれ注意が必要となるケースもあるので確認しましょう。
ユーザーの注意点
ユーザー側には、以下の注意点があげられます。
- 追加の情報登録
- アカウント変更時の対応
追加の情報登録
ソーシャルログインではもとから登録しているアカウント情報をサービス提供者が参照するため、サービスに必要な情報がもとのアカウント登録で必須でない場合、追加の情報登録が必要となります。
アカウント変更時の対応
アカウントを複数所持しており、何らかの理由でサービスに登録しているアカウントを変更する場合は、(ログイン状態であれば一度ログアウトして)再度ログインが必要となります。
サービス提供者の注意点
サービス提供者には、以下の注意点があげられます。
- 限定された情報公開
- 仕様変更の影響
限定された情報効果
ユーザーの注意点のひとつ目に対応しますが、もとのアカウントに一部の情報しか登録されていない場合、新たな入力の機会を設けなければ必要な情報が得られなくなります。この状態は、導入するソーシャルログインの種類によっても異なるので注意が必要です。
仕様変更の影響
ソーシャルログインに導入しているもとのサービスで、アカウントや情報開示に関する仕様変更があった場合、ログイン時の不具合や今まで公開されていた情報が非公開になり取得できなくなる可能性もあります。
とはいえ、ユーザーにもサービス提供者にもメリットのほうが大きく、ソーシャルログインが導入されているサービスはどんどん増えている印象があります!
代表的なソーシャルログインの種類
それでは、ソーシャルログインが可能なアカウントにはどんな種類があるのでしょうか。以下にソーシャルログインに利用される例をジャンルごとにあげます。
- 投稿系SNSアカウント
- サービス連携用アカウント
- LINE
- Apple
- Yahoo!Japan
- EC(ネットショッピング)用アカウント
- Amazon
- 楽天
投稿系SNSアカウント
自由に投稿、交流ができる SNS の Facebook や Twitter などのアカウントでログインができます。それぞれのSNSにおける特色が異なるため、ユーザーのターゲットや年齢層によってソーシャルログインに導入される種類が異なる場合もあります。該当するアカウントを複数持っている場合は、どれかひとつあれば十分です。
サービス連携用アカウント
Google アカウントや Apple アカウントはスマートフォンを利用するために必要なため、誰しも持っているであろうアカウントといえます。また、この分類では提供されているサービスが多岐にわたり、これらのアカウントひとつで複数の機能が利用できます。
※ LINE は SNS に含まれますが、LINE 内外で利用可能なサービスの種類が次々に増えており、他の SNS よりもひとりのユーザーが複数のアカウントを併用するケースが少ないととらえ、サービス連携用アカウントに分類しました。
EC(ネットショッピング)用アカウント
Amazon や 楽天アカウントでのソーシャルログインでは、ログインするサービス内でショッピングが可能な場合に導入されているケースがあります。これらのアカウントでログインすると、商材の購入時の入力が省略され、スムーズに決済や配送ができます。
ソーシャルログイン利用者の調査結果
たくさんの種類でソーシャルログインが可能ですが、実際の利用率はどうでしょうか。
ソーシャルログイン導入サービス「ソーシャルPLUS」を提供している株式会社フィードフォースが、ソーシャルPLUSを導入したサイト内での5種類(LINE・Yahoo! JAPAN・Facebook・Twitter・Google)のアカウントを対象に1年間のソーシャルログイン利用状況を調査し、結果を公開しています。

こちら、当該期間のソーシャルログイン利用回数は5,429万回、利用ユーザー数は1,402万人ほど集計されています。
圧倒的に LINE アカウントによるログインが多く、次いで Yahoo!JAPAN、残る3つは近しい割合となっています。また、集計されたログインのうち、約90% がスマートフォンからの流入という結果も出ています。こちらの背景としては、
- SNS はやっていなくとも、連絡手段として LINE は使用している。
- 逆に、SNS アカウントを複数持っているが、連携は提供されているサービスが多い LINE のみでまとめている。
- 企業のLINE公式アカウントを友だち登録していて、お知らせからそのままアクセスできる。
などの理由も考えられそうです。
その他、調査結果の詳細はこちらでご確認ください。
ソーシャルログイン利用状況調査2020~LINEログインが2年連続でトップに!ECサイトや予約サイトを中心に活用が進む~
ソーシャルログイン導入時のアカウント選定で是非とも参考にしたいデータですね!
まとめ
今回はさまざまな Webサービスに導入されている「ソーシャルログイン」についてまとめました。導入を検討している場合は、メリットや注意点をおさえて、効果的なログイン方法を選びましょう。