【保存版】動画編集の仕事を徹底解剖!必要なスキルまで解説


こんにちは!あやかです(@aaa_1205)!「動画編集の仕事って実際何をしているのだろう…」と想像がつかない人も多いのではないでしょうか?
事実、業務範囲はかなり広いです。動画に関する予備知識がなくて困っている、基本的なことを抑えたい!という方向けに、この記事では動画編集の具体的な仕事内容を解説します。
また、最後に動画編集に必要なスキルも図解でまとめました。動画編集の仕事に関する基礎知識を抑えたい方は必見です。
目次
動画編集の仕事とは

動画編集の仕事は、撮影した映像・イラスト・画像などの素材をWeb上で動画として公開するため、最適な形にすることです。
動画にはさまざまな種類があります。
動画の種類
- SNS広告などによく見られる短い尺(10〜15秒)で作られる動画広告
- 企業のカルチャーや人を紹介する実写動画
- YouTubeなどにアップされるコンテンツとしての動画
- 商品やサービスを紹介し理解促進を目的とした動画
- 学習などを効率良く進めるためのチュートリアル動画
上記に限らず「表現」「目的・用途」「長さ(尺)」「業種」など、条件の掛け合わせで最適な動画の形は変わってきます。
大切なのは「作った動画を誰がどこで見るか」という視点です。動画編集技術が必要なのはもちろんですが、それだけでは動画編集の仕事は成立しません。
広告として出稿するのなら、広告媒体ごとの特長やその媒体を使うユーザー層などを知る必要があります。
Webサイト上に掲載する動画なら、Webサイトにユーザーがどのような経路で訪問しているか情報収集をし、ユーザーニーズを理解します。訪問ユーザーのニーズを知らなければ動画に入れるべき最適なコンテンツがわかりません。
すべては「クライアントやエンドユーザーに貢献する」ことが重要です。動画編集の仕事は、動画という手段を使って課題解決をし、現状を改善することに繋がります。
動画編集の具体的な仕事と工程
上記は少し抽象的な話でしたが、動画編集という仕事を細分化すると複数の工程を経て納品となります。ここでは、1つ1つの工程で行う内容や目的、ポイントなどをまとめていきます。以下の流れで解説していきます。
動画編集の工程
- ヒアリング
- お見積り・ご提案
- 企画・構成
- 絵コンテ・ナレーション原稿作成
- Vコンテ・仮ナレーション挿入・BGM候補
- グラフィックデザイン
- アニメーション制作
- 最終チェック・納品
1. ヒアリング

ヒアリングは、動画編集者または制作会社と依頼主が初めて接する場です。
- 動画制作の目的
- どんな動画を求めているか
- 動画が必要な背景や経緯
- 想定されるターゲット
- 動画のご予算
- 納期
などわかる範囲の情報をお伝えいただき、プロジェクトの大枠を決めていきます。
動画制作でもっとも大切なのは「目的を明確にすること」。そして、その目的をプロジェクトメンバー全員が認識することです。明確な目的がなければ、ターゲットや配信する場所などの重要事項も曖昧になってしまいます。
「目的」を何度も繰り返すのはそれだけ重要なことだからなのです。
目的地がわからないまま航海をするとしたら…方角も決められず、必要な期間も読めないし、食料や備品・消耗品がどのくらい必要かもわかりません。
これでは不安すぎて出港できないですね…;;
しかし、明確な目的があれば、その目的から逆算し、ゴールに到達するための戦略を練ることができます。
動画の活用用途
- 商品・サービス紹介
- アプリ紹介
- マニュアル・ノウハウ提供
- Web広告・TVCM
- キャンペーン
- 会社・店舗紹介
- 人材採用
さまざまな活用用途がありますが、いずれにしても「どんな結果を得たいのか=ゴール」を明確にすることが大切です。
とはいえ、依頼の時点で明確になっていなくても心配ありません。今、抱えている「課題」や「理想」などを共有いただきながら、対話をしていく内に目的が導き出されることも多々あります。まずは、動画編集者や制作会社に相談してみると良いでしょう。
2. お見積り・ご提案
動画編集者または制作会社が「提案書・見積書」を作成します。ヒアリングで伺った内容をもとに動画の大まかなストーリー(構成)、表現方法(イラスト or 実写)、長さ(尺)、本数、素材の有無、納期、制作スタッフなど主に「制作にかかる費用」を算出するために必要な項目を洗い出します。
動画制作にかかる費用の内訳としては、
- 制作スタッフの人件費
- プロジェクト進行管理費
- 動画編集費
- イラスト作成費 ※イラストが必要な場合
- 音源費
- ナレーション費 ※ナレーションが必要な場合
また、実写で制作する場合はさらに
- キャスト・俳優に支払う費用
- 撮影機材費
- 撮影場所への移動費
- 撮影スタジオのレンタル費
などもあります。
特に人件費は、制作にかかる日数・時間によってかなり変動があります。また、クリエイターによって基本費用が違うこともあり、制作会社によってもさまざまです。
事前に決められた予算の中で制作するパターン、予算+αでの別パターンなど、複数パターンのお見積りを提示され比較することも多いでしょう。
▼関連記事:【動画制作の料金相場】何にどのくらいかかる?動画クリエイターが徹底解説
3. 企画・構成
見積り・提案内容を受諾されたら実際に作業に入ります。動画制作は、アニメーション・実写・3DCGなど動画の形式によって制作工程も制作方法も異なります。
今回は、架空企業の【新商品紹介用動画アニメーション制作】を想定します。新商品は「オトナの肌悩みに全方位ケアでアプローチする美容液」とします。
ヒアリングで伺った内容から
- 動画の目的
- ターゲット
- 配信媒体
- イラスト・キャラクターの有無
- ナレーションの有無
- BGMの有無・雰囲気・イメージ
- 制作スケジュール
- 世界観・ユーザーに与えたいイメージ
など詳細を決めていきます。特に、ターゲットは慎重にクライアントに確認を取りながら決めていけると良いです。
「20代半ば・都内在住のOL」のような表面的な情報だけではなく、ターゲットの内面の悩みや不満まで引き出すのが大切です。

例えば、「1」と「2」だったら圧倒的に「2」の方が人物像が浮かびますよね。この「2」の情報にたどり着くにはリサーチと分析が必要なので、少し手間はかかります。でも、明確なターゲット像がイメージできれば、心に響くキャッチコピーや表現、ストーリーも自ずと明確なってくるので、とても重要な工程です。
これらの情報をもとに、シナリオ(台本)=絵コンテを描きます。
4. 絵コンテ、ナレーション原稿作成
企画・構成で内容を詰めたら、それを絵コンテに落とし込みます。絵コンテの前に、テキストのみでストーリーをまとめると絵コンテ作成もスムーズです。
絵コンテとは以下のようなものです。

シナリオをもとにイラスト・必要素材・内容・セリフ・ナレーション・BGMの雰囲気などイメージを具現化し、クライアントと共通認識をもつために絵コンテを作成します。
実写の場合とアニメーションの場合で絵コンテの仕上がりはだいぶ変わります。 決まったフォーマットはなく、動画編集者や制作会社によって異なります。
5. Vコンテ・仮ナレーション挿入・BGM候補
絵コンテでクライアントの合意が取れたら、さらに工程を進めていきます。Vコンテは人によって作らないこともありますが、Wepotでは必ず作るようにしています。
個人でご依頼いただく場合も、必ず作成します^^
この工程があるだけで、お客様の動画のイメージが醸成されやすくなります!
初めて動画を作る方にとっては、「絵コンテだけだとイメージが湧かない」というお声をよく頂戴します。そのため、”絵コンテを動画にした”Vコンテを作ります。絵コンテ1枚1枚をスライドショーのように動画形式に書き出したものです。

Vコンテには、作成したナレーション原稿を読んだ仮ナレーションを収録し動画に挿入します。(仮ナレーションは通常編集者が入れます。)さらに、雰囲気に合うようなBGMを複数パターンピックアップし、動画として書き出したものをご確認いただきます。
仮ナレーション・BGM挿入済みのVコンテは、すでに動画という形になっているため、比較的イメージが掴みやすいです。例えば
- 1シーンの尺の長さは適切か
- BGMの雰囲気が動画に合ってるか
- 尺の長さに対しナレーションの量は適切か
- 1シーン内に情報を詰め込みすぎてないか
- 不要な情報はないか
など、動画を客観的に見ることができ、修正すべきポイントを洗い出しやすいというメリットがあります。その分、差し戻しも少なくなり、クライアント・編集者双方の負担を減らすことにも繋がります。
6. グラフィックデザイン

グラフィックデザインは、写真やイラスト、文字などの画面上の構成を適切に魅せる工程です。グラフィックデザイナーという職業もあるほど奥が深い領域ですが、動画編集者はグラフィックデザインも担います。
「グラフィックデザイン」と聞くと、商品パッケージのデザインやポスター・チラシなど紙媒体のデザインをイメージする傾向が多いと思います。動画におけるグラフィックデザインはクライアントの希望する世界観や雰囲気に合わせて、
- どんなイラストを使うと効果的か
- 背景はどういうイメージがマッチするか
- 言葉の代替として図にできる部分はどこか
- 配色はどうするか
- フォントはどんな雰囲気のものがマッチするか
- フォントサイズはどのくらいが良いか
このようなことを決めて、動画の世界観を作り上げていきます。抽象的な物事を可視化し、
ただ、画面上を美しくかっこよく魅せるのではなく、クライアントの意向を汲み取り、商品・サービスの魅力を最大限伝えることを念頭にデザインを検討します。そのため、デザイン技術もそうですがコミュニケーション能力も求められます。
試行錯誤の末、生み出されたグラフィックデザインに命を吹き込むのが次のアニメーション制作です。
7. アニメーション制作

グラフィックデザインができたら、そのデザインの1つ1つの要素をより効果的に魅せるためのアニメーションをつけていきます。
アニメーションで期待できる効果
- ロゴアニメーションでブランドの印象を強く残す
- 人物イラストの自然な感情表現、仕草の表現
- シーン切り替え時は視覚的に情報を区分する
- 共感性を上げるため適切なタイミングで要素を配置、出現
- 可読性を維持する尺をとり理解を促す
- 図解やインフォグラフィックを適宜使い短い時間で伝える
- 実績や表彰歴などきらびやかな装飾をして権威性を出す
- 詳細や問い合わせのアクションを促すあしらい
アニメーションをつけることで、ユーザーに一層感情移入してもらい、成果に繋げることが期待できます。
ちょっと余談です。「動画クリエイターはアニメーション制作をする人」と思われがちですが、決してそうではありません。アニメーションに入るまでが全体の8割を占めると言っても過言ではないほど、上流工程(ヒアリング〜企画・構成)がプロジェクトの肝です。
ここの完成度次第で動画の仕上がりは大きく変動します。冒頭で”編集ができるだけではこの仕事は成立しない”と記載したのは、そういう意味でした。
土台がしっかりしていれば、絵コンテやVコンテ・グラフィックデザインも迷いが少なく、アニメーション制作までスムーズに到達します。
8. 最終チェック・納品
アニメーション作成が完了し、隅々まで確認作業をしてクライアントに提出します。
修正によるやりとりを数回おこない最終調整の上、クライアントからOKをいただけたら納品となります。
ここ数年では、データ納品(mp4など)がほとんどですが、業界によってはDVDに焼いて納品をするケースもあるので、納品形式は事前に確認しておいた方が良いでしょう。
動画編集の仕事に必要なスキルまとめ

前述したように、動画を1本完成させるまでにはたくさんの工程があります。
- ヒアリング
- お見積り・ご提案
- 企画・構成
- 絵コンテ・ナレーション原稿作成・BGM候補
- Vコンテ・仮ナレーション収録
- グラフィックデザイン
- アニメーション制作
また、実写の映像で撮影が必要な場合は、
- キャスティング(俳優の選定と交渉)
- 取材
- 撮影準備・撮影本番
- 撮影素材の編集
- 撮影場所の確保
- 撮影場所への移動
などの工程も発生します。
これらをすべて1人で担うのはハードルが高いと言えます。特に、実写で撮影が必要な動画制作は、カメラマンや撮影そのもののクオリティを担保できないと最終的に仕上がる動画のクオリティにも大きく影響がでます。
ただ、アニメーションの制作は一人の動画クリエイターで完結できることも多くあります。
以下に改めて、動画編集者に必要なスキルをリストでまとめました。記載のないことも柔軟に対応できる柔軟性も必要かもしれません…。
動画編集者に必要なスキルまとめ
- 本質的な改善策や本来の目的を導き出すコミュニケーション能力
- クライアントの抱える課題の解決手段とその骨子を組み立てる情報設計能力
- 外部委託する際のディレクション、進行管理スキル
- 適正なお見積の算出と見積額に関する説明力
- ご提案した企画を絵コンテにアウトプットする言語化力・視覚化力
- シナリオと共に適切なナレーション原稿を作成するライティングスキル
- コンテンツを伝わるものへと可視化するグラフィックデザインスキル
- デザインをより印象強く魅力的に魅せるアニメーション制作スキル
これらは、経験やこれまでのキャリアに依存するスキルが多いのが実情です。
簡単ではないですが、納品した動画によってクライアントに満足していただけたり、事業に貢献できることが成功体験や達成感に繋がり、非常にやりがいを感じる部分でもあります。
さいごに
この記事では、「動画編集の仕事」に関する具体的な工程や、動画編集の仕事に必要なスキルをまとめました。
Wepotでは、動画編集に長けたクリエイター・グラフィックデザインに長けたクリエイター・カメラマンも在籍しており、どのような案件にも対応が可能なフレキシブルな個人事業主のチームです。
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