イラストの著作権、トラブルを防ぐ方法・対策まとめ

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こんにちは、ともです。実は、国家試験の知的財産管理検定を取得しております。

今回はクリエイティブにおいて避けては通れない著作権についてお伝えしたいと思います。

イラストを依頼する前に知っておくことがとても重要なので、ぜひご一読いただけると嬉しいです。

イラストの依頼者側が著作権を理解する必要性

タブレットやお絵描きツールアプリなどの発達により気軽にイラストを描けて、発表できる場が増えてきた影響もあり、イラストレーターとして活動する人が増えてきました。

イラストレーターには資格がなく、名乗ったその日からイラストレーターになることができます。そして、クラウドソーシングなどで気軽にお仕事を受注できるようにもなりました。

プロのイラストレーターであれば当然、著作権について理解をしておくべきです。しかし、誰でも始められるので、イラストレーターと名乗る人全員が著作権を理解しているとは限りません。

「依頼者側」も著作権を理解し、リスクから自衛することが必要な時代になりつつあります。

イラストに発生する権利

イラストに発生する権利は2つあります。

  1. 著作権
  2. 著作者人格権

イラストの依頼についてはこの2つの権利を理解しておく必要があります。まずは著作権から詳しく見ていきましょう。

著作権

著作権は最も身近な知的財産権の一つです。

著作物の公正な利用を促すと同時に著作者の権利を保護しながら、日本全体の文化の発展に寄与する目的があります。

この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。

著作権法第一条(目的)より引用

つまり著作者の著作物に対しての文化的価値を保護する権利です。

勝手にコピーをして消費されてしまうことを防ぎ、著作物の価値を守るものです。

著作権はいつ、誰に対して発生するのか

誰に発生するのか

著作権は著作物を創作した人「著作者」に発生する権利です。

いつ発生するのか

イラストを例に挙げると、イラストを創作した時点から著作権、著作者人格権が自動的に発生します。

特にどこかに登録するなどの手続きは必要なく著作者の公表をしなくても、自動的に発生する権利です。また、年齢、性別、プロ、アマチュア、イラストの上手い、下手は問われません。

著作物の定義

著作物について著作権法にて以下の内容で定められています。

著作物とは、思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。

著作権法第二条(定義)より引用

つまり「イラスト」も著作権が発生します。

著作権の存続期間

著作権の存続期間は以下になります。

  • 存続期間の始期:著作物の創作した日
  • 存続期間の終期:著作者の死後70年

著作権の消滅は著作者の死後70年の存続期間終了時又は、著作者が著作権を放棄した場合です。著作権消滅後は誰でも使用できる創作物となります。

著作権を侵害するとどうなるのか

著作権を侵害した場合は民事的処置と刑事的処置が適応される可能性があります。

民事的処置で適応される権利

①差止留め請求権

侵害した者に対し、直ちに侵害の停止を求めることができる権利です。相手の無自覚、または意図的に過失したかは関係なく、警告書などの手続きをしなくても公使できます。

②損害賠償請求権

故意(わざと)または過失(不注意)により侵害した者に対し、賠償請求ができる権利です

③不当利益の返還請求権

例えば、イラストの使用契約期間を破り、イラストを掲載し、利益を受けた者に対して、著作者側が利益の返還を請求できる権利です。

④名誉回復措置の請求権

②の損害賠償と合わせて、請求されることが多く、名誉回復の措置を請求できる権利です。

刑事的処置

著作権を侵害すると、刑事罰にもあたる可能性があります。

具体的には、意図的に著作権法に違反した場合

刑事裁判により1,000万円(法人の場合は3億円)以下の罰金、又は10年以下の懲役、又はその両方の刑罰が科されます。

以上が著作権の基本情報になります。

固い内容になってしまいましたが、簡単にまとめると著作権は創作物を作った人の文化的価値を守る法律です。無断での使用は絶対にやめましょう。

著作権を守りながらイラストを利用する方法

実は依頼時から掲載範囲、掲載期間中は著作権関連のトラブルは滅多に起こりません。問題はその先の「2次利用」になります。

2次利用とは:掲載期間、契約条件外でイラストを無断で利用すること

つまり、イラスト発注次に契約で著作権の扱いを事前に決めておくことで、トラブルを回避することが可能です。主に2つの方法があります。

著作権利用許諾契(ライセンス契約)

掲載条件、掲載物と期間などの利用範囲を決め、ライセンス料を支払いイラストを使用する方法です。この場合は、著作権は著作者であるイラストレーターにあります。掲載物や掲載期間が増えた場合は追加費用が発生します。

著作権譲渡契約

著作権を譲渡(購入する)方法です。この場合は著作権は購入した会社側に移行します。著作権を購入すると、掲載条件などに関わらずイラストの使用が可能になりますが、注意したいのが、自由に使えるというわけではありません。

著作者人格権というものがあります。著作者人格権は著作権を購入しても著作者であるイラストレーターに存続し続けます。著作人格権によるトラブルを防ぐために契約書に「著作者人格権の不行使」の記載する方法があります。

著作者人格権の存在

著作者人格権は著作者(イラストレーター)の人格的な利益を保護する権利です。この権利は譲渡できません。

著作者人格権の3つの権利

  • ①公表権(著作物を公表する可否の決定)
  • ②氏名表示権(著作物に著作者の名前を載せる可否の決定)
  • ③同一性保持権(著作者の意に反して勝手に改変してはいけない)

著作権を譲渡したからといって著作者人格権はなくなりません。注意しましょう。

著作権の侵害になりうるイラストの依頼の仕方と対策

次に、依頼時に気をつけたい指示の仕方をお伝えします。

依頼の仕方次第では、著作権を侵害してしまうイラストをイラストレーターが作成してしまうケースがあります。イラストレーターの歴が浅い、又は著作権の知見がないイラストレーターは依頼者の指示に忠実に従う場合が多いからです。

トレースという言葉は指示で使わない

実は依頼者側の指示1つで著作権の侵害が発生する可能性のあるイラストが出来上がってしまうのです。

それは「トレース(複写)」という指示です。

ニュアンス的に「雰囲気を真似して欲しい」という意図があって指示したとしても、イラストレーターやデザイナーは「全く同じようになぞる・コピーする」という指示として受け取ってしまいます。指示する側の意図と受ける側の意図が大きく変わるので、注意してください。できるだけ、専門用語は使わずに指示することが依頼時の情報の共有において大切です。

そして、トレースは著作権侵害に該当しやすく、危険な作成方法です。元にした画像を重ねただけで分かるのですぐにバレます。

写真のポーズをトレースで依頼しない

写真のポーズをトレースで依頼をかけることは、元写真の著作権の侵害に当たる可能性があります。

写真素材集無断イラストトレース事件という判例があります。

写真素材のコーヒーを飲む男性をトレースし、同人誌を作成、販売した作者に対して、写真素材販売の事業者が損害賠償を起こしたケースです。

結論からいうとこの事件は、「類似性」の観点から著作権侵害にはならないと判断されましたが、トレースは訴えられるリスクを孕んだ危険な指示ということを理解しておきましょう。

提示する場合はトレースではなく「参考」にするという指示が良いでしょう。ポーズの角度や服のシワなど雰囲気を掴むための資料として提示しましょう。

そして参考画像の提示にの際に、イラストレーターにもトレースはしないように事前に忠告しておきましょう。

SNSで見つけたイラストをトレースで依頼しない

誰もが見れる、ダウンロードが可能な環境のSNSでみつけた画像に著作権がないと思う方もいるかもしれませんが、大きな間違いです。

上記でも明記したように、トレースをする指示は避けてください。

まとめ

今回は、イラストの依頼時における知っておくべき著作権についてお話しました。

前述しましたが、イラストレーターには資格がなく誰でもなれる職業です。どんどんイラストレーターは増えてくるでしょう。しかしながら、著作権の知見がある方ばかりではありません。

イラストに限らず、クリエイティブにおいて著作権は無視できない法律です。ぜひ、自衛の意味でも著作権について理解を深めてもらえると嬉しいです。

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グラフィックデザイナー/イラストレーター/Webデザイナー/動画クリエイター

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グラフィックデザイナー/イラストレーター/Webデザイナー/動画クリエイター

ともに寄り添い、挑み続ける。をミッションとし、デザイナー・イラストレーターとして活動しています。 お客様と一緒にクリエイティブを作り上げることを大切にしています。動物が大好きです。好きな言葉は「温故知新」!

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