ミーティング議事録のコツ・まとめ方【ミーティング後に活かされる議事録を作る】


この記事では、ミーティング議事録のまとめ方についてご紹介します。
企業に勤めていれば、必ず何かしらのミーティングに出席することになるでしょう。役員による会社運営の方針によるミーティングや、プロジェクト運営に関する現場でのミーティング。その中でも、ブレストをする場だったり、何かの答えを出すことが目的だったり。
すべてを網羅することは難しいため、今回は企画などのプロジェクトのミーティングを想定した、議事録のコツやまとめ方を取り上げます。
企業によってミーティングの仕方や、議事録の書き方のルールがあるかもしれませんが、どんな議事録を作る場合でも「ミーティング後にも役立つ議事録」であることが共通して大切だといえます。
議事録はミーティング内容の記録でもありますが、「ミーティング内容を今後の業務に反映できるか」ということが最も重要でしょう。
話し合ったことがその場限りの共有で終わり、業務に反映されずでは時間の無駄遣いになってしまいます。議事録一つで、企画が更にうまく回ったり、チームの意思統一もできるので、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。
目次
議事録とは?
よく、議事録とアジェンダを勘違いされる方がいるので、まずは「議事録」と「アジェンダ」の違いを説明します。
議事録
会議での発言を文字で記録するドキュメント
アジェンダ
会議をスムーズに行うための進行表
「議事録」と「アジェンダ」には、このような違いがあります。
議事録はミーティング中の記録、アジェンダはミーティング前に用意しておく議題、といった認識で良いかと思います。
議事録は議論の内容をリアルタイムで書き起こしていくので、「執筆スピード」「情報の取捨選択」「内容の理解」といったところが必要になり、難しさを感じる方もいるでしょう。
次のセクションでは、
- 議事録をうまくまとめたい
- まとめただけではなくて今後の業務に活かしたい
- 他の人も同様にまとめられるようになってほしい
こういった悩みを持つ方に対して、実際に議事録を作る際のコツをご紹介していきます。ミーティングの前・最中・後に分けて説明するので、ご参考ください。
議事録のまとめ方~ミーティング前~
まずはミーティング前の準備段階です。ここでの準備で、議事録をうまくまとめられるかが関わってきます。
抑えてもらいたいポイントをいくつかご紹介します。
役職は一つに徹底
多くの方がやってしまいがちなのが、ミーティングの司会進行と議事録の書紀を一人で行ってしまうことです。
ミーティングが止まらないように、かつスムーズに進むように進行をしながら、リアルタイムで情報をピックアップして議事録に執筆する。となると、かなり無理があります。
進行をしている間は議事録は書けず、議事録を書いている間は進行が止まってしまうなど、実際に経験している方は多いのではないでしょうか。
過去、ファシリテーターについてまとめた記事でもお伝えしているように、役職は一つに徹することが効率の良い方法です。
「司会進行はAさん、議事録作成はBさん」というように、ミーティングの役割は分担するように事前に根回ししておきましょう。

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進行役とミーティング内容をすり合わせ
あなたが議事録の担当であれば、ミーティングの進行役とミーティング内容のすり合わせをしておきましょう。
ミーティングが始まってしまったら、進行役と2人でコソコソすり合わせることもできません。以下のような項目はあらかじめ決めておくと良いでしょう。
- どんなミーティングの流れにするか
- 何分くらいのミーティングにするか
- 議題からそれてしまった時の対処法
- 議題に対して想定される質問
- それに対してどう回答していくか
これらを進行役とすり合わせておけば、よりスムーズなミーティングになるはずです。
議事録を取るためのツールを用意
企業にもよると思いますが、議事録をまとめるツールはさまざまだと思います。
Word(ワード)やGoogleドキュメント、メモ帳の場合もありますし、もしかしたら手書きの場合もありえます。おおよそはPCでまとめられるツールで議事録を取るかと思いますが、できるなら文字装飾ができるものがベストです。
重要なポイントをこのように赤太字にしたり、見返したあとにわかりやすくすることができます。
アジェンダ(5W1H)を用意
ミーティングを行う前に、アジェンダも用意しておきましょう。そうすることで、よりスムーズに議事録の作成が行えます。
冒頭でお伝えしたように、アジェンダとは「会議をスムーズに行うための進行表」であり、それに沿って進行もできますし、議事録も書けるからです。そこでアジェンダを作る際には5W1Hを軸にすると良いでしょう。
- When:いつ
- Where:どこで
- Who:だれが
- What:何を
- Why:なぜ
- How:どのように
この要素に沿うことで、ミーティングの目的や決定すべき内容、それをいつ誰がやるか、どんな方法でという具体的なところまで決めていけます。
つまり議事録をスムーズにまとめるために、アジェンダを作っておく、ということです。
参加者の意見や、質疑を行う箇所のピックアップ
上記を参考にアジェンダを作るうえで、ミーティング参加者に意見を募りたい議題もあるかと思います。
例えば「商品の名前を決める会」として、その商品名の案だしをしてもらいたいとしましょう。
参加者に対して事前の周知もなしだった場合、ミーティングの場で「考えてください」と言っても、ジャストアイデアでノリで考えた商品名が出たり、下手したら誰も案を言わずに沈黙の時間だけが過ぎてしまいます。
そうならないためにも、意見を募りたい議題があれば、あらかじめミーティング参加者に考えてきてもらうよう周知しましょう。
時間を使ってしっかり考えた案の方がクオリティが高いでしょうし、沈黙の時間もなくなり、ミーティングもスムーズに運ぶはずです。
議事録の事前共有
アジェンダやあらかじめ意見を募ることも含めて、事前に作成した議事録をミーティング参加者へ共有しておきましょう。
事前共有することで、
- 何について話すのか
- 何を決めるのか
- 意見を言う箇所があるのか
- 不明点があるかどうか
- 何時まで行われるのか
といった情報を参加者が事前に把握できるため、全員が共通の認識でミーティングを行うことができます。また、「今日って何について話すの?」という参加者を防止することができるわけです。
内容を把握する時間も必要なので、ミーティングを行う1日前、または午後のミーティングなら最低でも午前中に共有するのが理想だと考えています。
ここまでくれば、ミーティング議事録の事前準備は完璧です。
議事録のまとめ方~ミーティング中~
次に紹介するのが、ミーティングの最中にフォーカスした議事録のまとめ方です。
こちらも抑えてもらいたいポイントをいくつかご紹介します。
書式は気にせず、情報を羅列
ミーティングでは次から次へと、誰かしらが発言します。そんな中ですべての情報をまるごと執筆するのはかなり大変です。
テレビのテロップをリアルタイムでタイピングできるほど入力が速ければ別ですが、現実的ではありません。
なのでミーティングの内容を記載していくうえで、とにかく羅列していくのがベストです。まずは書式は気にせず、「重要そうだな」と思ったものを箇条書きでどんどん書いていきましょう。
例
- 議題:商品名について
- A案とB案に意見が割れている
- A案の意見
- 商品のイメージがしやすい
- 親しみがある
- ただありきたりなイメージ
- B案の意見
- インパクトがある
- 今までになさそうで新鮮
- ただどんな商品かわかりにくい
議事録をまとめるのに慣れてきたら、もっと要点を絞って抑えることもできるでしょうし、まずはどんどん箇条書きで情報を書いてみましょう。
箇条書き(リスト)を活用すれば、インデントで階層をつけることができるので、話のまとまりをグループ化して書きやすくなりますし、あとでまとめ直す際に有効です。
話し言葉をそのまま書かない
議事録のまとめがニガテな人の特徴として、参加者の発言をそのまま書いてしまう人がいます。話し言葉をそのまままとめてしまうと、単純にタイムロスになってしまいますし、議事録の作成が追いつかなくなる可能性もあります。
例
- A案は商品のイメージがしやすい
- ん~自分はA案の方がイメージしやすいと思うんですよね
同じ内容をまとめるにしても、後者だと無駄な部分も多く、議事録を読み返す際に一言一句読まなくてはいけなくなります。
参加者の発言の「つまりこういうことを言っている」という大事なところだけピックアップすると、タイムロスもなく、あとからまとめやすくなります。
重要になりそうなキーワードはハイライト
ミーティングが進んでいくと、重要になりそうなキーワードが出てきます。
例えば果物系スイーツ商品名の意見を出し合っているときに「どっさり」という言葉が出て「それ良いね」という意見が多く集まった場合、
例
- 果物系スイーツ商品名
- 「どっさり」の方向性が濃厚
というようなまとめ方をするでしょう。
しかも、商品名を決めるミーティングとして、とても重要な内容であることがわかるかと思います。そのような場合に、ハイライト(装飾)しておきましょう。
例
- 果物系スイーツ商品名
- 「どっさり」の方向性が濃厚
これは、何も難しいことではありません。学生時代に誰もがマーカーペンなどでわかりやすくした経験と同じです。
ただし、重要そうだからといって、あれもこれもハイライトにしてしまうと「どれが重要なんだっけ?」となってしまいます。特に重要だと感じたキーワードをハイライトにしましょう。
ミーティングで発生した「課題や確認事項」の期日を記載
ミーティング中に新たな課題や確認事項が出てくることもあるでしょう。そういった場合は、課題や確認事項に合わせて期日も議事録に記載しましょう。
課題の場合は「次回ミーティングに必要なデータの整理」や「商品名の案」だったり、確認事項の場合は「クライアントへの確認」や「上長への打診」などいろいろあると思います。
それに対して期日を決めて議事録にも記載しておくことで、それぞれが期日に向かって動いてもらいやすくなります。期日が近くなったら、リマインドをして進捗を確認しておくとなお良いですね。
録画・録音などで振り返れるように
今はWebミーティングが主流になってきており、Zoomなどを使ってカンタンにミーティングを録画することができます。
万が一、議事録の執筆が追いつかなかった場合でも、録画や録音で振り返ることができれば安心ですし、課題や確認事項の期日について、「聞いてないよ」という事態を防止することもできます。
ミーティングに参加できなかった人にもあとから確認してもらえたりというメリットもあるので、録画・録音するという文化を取り入れてみても良いかと思います。
録画や録音をする際はミーティングの前に「あとから振り返られるように録画します」と一声参加者にかけておくと、形として残るため参加者の気も引き締まって良いでしょう。
議事録のまとめ方~ミーティング後~
ミーティングが無事に終わったら、それで終わりではありません。
執筆した内容をまとめる必要があります。
ここまで行うことで、今後の業務に活かせる議事録になるので、もうひと踏ん張り頑張りましょう。
まとめた内容の整理
ミーティング中は箇条書きなどで、とにかく情報を議事録に書いていきました。なので、それをきれいにまとめる必要があります。
- 不要な情報の排除
- 補足しておいたほうが良い情報
- 論点を整理しておくべき情報
- 課題や確認事項の記載
などなど、内容を整理していきましょう。
上長に提出するとなるとなおさらですし、ポイントは「ミーティングに参加していない人でも把握できるようにまとめる」ということです。
上長やスケジュールが合わず参加できなかった人でも「こういう方向で進んでいるんだな」とひと目見てわかるようになっていればベストです。自分だけではなく、他の人も見ることを意識して、内容を整理してみましょう。
その際、録画・録音したデータを再生しながら取り組むと、役立つ場面もあります。
参加者へ議事録の再共有
ミーティング前にアジェンダという形で議事録を共有しましたが、ミーティング後にも改めて共有を行いましょう。
ミーティングで決まったことに対して参加者の認識を統一できますし、内容を振り返ることもできます。
また、その際に課題や確認事項のリマインドもしておくとベストです。ミーティング中の会話だけでは忘れてしまう人もいるかもしれないので、念入りに伝えるのをおすすめします。
まとめ
今回はミーティング議事録のコツやまとめ方についてご紹介しました。
議事録はただまとめれば良いというものではありません。ミーティングは多くの参加者の時間を使って行うものであり、話し合った内容を今後の業務に活かしていくべき必要があります。
まとめ方ひとつで業務に反映されるかが変わってきますので、ぜひ今回ご紹介した内容を参考にして、今後の議事録作成に活かしていただけたら嬉しいです。