社内ミーティングを成長させるファシリテーターの見つけ方


「社内の会議やミーティングがうまくいかない…」といったお悩みをかかえていませんか?
会議・ミーティングの悩み
- 時間内に議論がまとまらない
- 内容が脱線する
- 予定した時間をオーバーする
- いつも発言する人が決まっている
このような会議・ミーティングのよくあるお悩みや課題は、企業にとって優先度は高くないものの、いつかは改善したい目の上のたんこぶのような存在です。
この記事では上記のような会議・ミーティングの課題を解決する存在である『ファシリテーター』について紹介するとともに、ファシリテーターを社内に導入するための方法などを紹介します。
上手にファシリテーターを導入することで、会議・MTGの生産性が向上するだけでなく、社員のやる気にもつながり、大きな業務改善の手助けにもなるでしょう。
この記事は主にマネジメントを行なっている方にぜひ読んでいただきたいです!
目次
ファシリテーターとは?
まずは、ファシリテーターとは何かですが、コトバンクではこのようにまとめられています。
ファシリテーターとは、効率的かつスムーズな会議を実現するための進行役のこと。中立的な立ち位置から意見の対立を調整したり、積極的な意見交換を促したりするなど、有意義な会議を行ううえで重要な役割を果たします。多様な人材雇用が進む近年では、組織運営にそのスキルを応用している企業も増えています。
出典元:コトバンク
つまり、『ファシリテーター』は、会議・ミーティングの場において中立の場に立つ人であり、会議・ミーティングの着地点(ゴール)に向けて参加者の意見を引き出しながら円滑に進行していく役割となります。
そのため、第三者目線で物事を捉えたり、状況や状態を俯瞰することが求められます。
また、ゴールに導く役目でもあるため、ファシリテーター自身が会議・ミーティングの内容を事前に把握し、何をもってゴールとするかを理解しておく必要があるわけです。
タイムキーパーや司会進行との違い
ファシリテーターと同一視されるポジションとして、『タイムキーパー』や『司会進行』が引き合いに出されることがあります。ですが、詳しく整理をしてみると、ファシリテーターと、タイムキーパーや司会進行は求められている役割が異なります。
例えば、タイムキーパーは時間を計る人・記録する人といった役割になり、会議・打ち合わせが決められた時間に収まるよう、司会進行に逐一経過時間などを報告することが本来の役割になります。
一方、司会進行は、会議・打ち合わせのアジェンダに沿って滞りなく進行させるために司会を行う立場にあります。
つまり、ファシリテーター・タイムキーパー・司会進行というのは、会議・ミーティングを滞りなく遂行するという大目標は同じでも、遂行のために行うべき事柄が異なるというわけです。
ただし、日本の企業では、この三者の役割が混合した認識で浸透している傾向が見られ、打ち合わせを開く人がファシリテーターであり、タイムキーパーであり、司会進行を求められるという現状があるのではないでしょうか?
その背景には、会議・打ち合わせにそこまでの役割を動員できなかったり、そもそもファシリテーター・タイムキーパー・司会進行という概念が浸透していないということが原因にあげられます。
本来であれば、一名ずつに役割を設けなければいけないものを一人に集約するのですから、よっぽど優秀なスタッフでもない限り、会議やミーティングがうまくいくはずがありません。
ファシリテーターのメリット
ファシリテーターを導入することで、このようなメリットがあります。
- 事前に定めたゴールに向かって進行される
- 参加者が自然と意見を出しやすい場になる
- 特定の人物だけが発言するだけの場にならない
- 発言をすることでプロジェクトへ寄与している意識が高まる
- 議題がブレない、脱線しても軌道修正される
- 参加者が会議・ミーティングの議題に集中できる
- 意見の総括がなされる
- 中立・公平性が保たれた会議・ミーティングになる
- プロジェクトが滞りなく進行する
これらは総じて、会議・ミーティングの生産性を向上させるだけではなく、参加した社員の「仕事に対するやりがい」の向上にもつながります。
会議・ミーティングに対して企業として悩みや課題を感じているのであれば、ぜひファシリテーターの導入を検討してみましょう。
ファシリテーターの注意点
ファシリテーターを導入したからといって、すぐさま効果改善が見られるものではありません。ファシリテーターとしての役割を理解して実践することはもちろん、ファシリテーターの注意点を理解していないと役割をうまく遂行できません。
これまで、ファシリテーターを経験してきて感じた注意点についていくつかまとめてみました。
ファシリテーターの注意点
- 中立を保ち、意見に優位・不位をつけない
- 不要な議論は正し、軌道修正をする
- 他の役(参加者・タイムキーパー・司会進行)にならない
ファシリテーターは、中立の場に立つ人であり、会議・ミーティングの着地点(ゴール)に向けて参加者の意見を引き出しながら円滑に進行していく役割であることから、参加者間で意見が対立した場合、どちらかを優位にするといった行動はNGです。ただし、その議論の対立が会議・ミーティングの着地点から外れてしまっているのであれば、そこを明確に正す必要があります。
また、ファシリテーターとして会議・ミーティングに参加したからには、自分が参加者や他役職になってしまわないように、ファシリテーターとして徹しましょう。
ファシリテーターの見つけ方
ここまでファシリテーターについて説明しましたが、社内にファシリテーターを導入するにあたり、ファシリテーターに向いている人の見つけ方について説明します。
ファシリテーターの向き不向き
ファシリテーターは、その役割から誰もがなれる役ではないと考えています。ファシリテーターには向き不向きがあるからです。
企業によって、リーダーシップを身につける社員研修を実施し、全ての社員にその教育を実施している。なんてこともあるかと思いますが、リーダーという役職に向いている人、向いていない人は必ずあります。
ファシリテーターも同様で、全社員がファシリテーターとしての役割を遂行できるかは、向き不向きによるところが大きいです。「全員がファシリテーターになれるわけではない」ということを認識したうえで、ファシリテーターの社内導入を検討していきましょう。
ファシリテーターに向いているタイプ
では、どのような人物がファシリテーターに向いているかというと、以下のような特徴の人物がファシリテーターに向いていると感じます。
ファシリテーターに向いているタイプ
- ものごとを俯瞰して(第三者目線で)見れる
- 求められている答えを理解できる
- 立場を気にせず発言が行える
- 場の空気の調整が行える
- 相手の話をうまく引き出せる
このように、普段から上記のような特徴の人物がファシリテーターに向いていると考えています。
これらは、誰もが一長一短でできるようになるものではありません。向いている人物、向いていない人物が必ずあります。適材適所、ファシリテーターに向いている人物を見つけ、その人を教育していく方針が良いでしょう。
一方で、ファシリテーターに向いていない人物は、ファシリテーター以外の場面で必ず輝く人物ですから、「この人はファシリテーターに向いているから優秀、この人は向いていないから優秀ではない」といった価値観は持ってはいけません。
では、実際にファシリテーターに向いている人物をどのように見つけると良いのか、私が実施してきた方法をお伝えします。
見つけ方(1) 会議・ミーティング後アンケートの実施
まずひとつ目に、会議・ミーティング後にアンケートを実施する方法です。
会議・ミーティング参加者に対して、会議・ミーティングで感じたことを収集し、ファシリテーターに向いている視点を持っている人物を探します。
例えば、「ミーティングは順調に進行したか?」といった設問を設け、その設問に「NO」と答えている人物の理由を確認します。「意見が飛び交わなかった」「発言者が固定されている」などを感じているのであれば、その人物は会議・ミーティングを俯瞰して捉える視点を持っており、ファシリテーターに向いている人物の可能性があります。
企業では大抵がトップダウンの組織構造になりますから、参加者がその上下関係を気にして、会議・ミーティングそのものへの意見を発しにくいはずです。そこを、アンケートという形で個々に意見を挙げやすい環境を用意してあげることで、参加者の内心を引き出し、ファシリテーター特性を持っている人物の発見につなげます。
見つけ方(2) 4つのタイプ診断
もう一つの方法として、社員のタイプを知ることです。
アンケートでは、ファシリテーターに向いている視点を持つ人物の発見はできますが、もしかするとその社員は内向的な性格をしており、ファシリテーターとして会議・ミーティングを遂行することを得意としない可能性があります。それよりも、参加者として参加することで力を発揮するタイプの人材の場合もあるわけです。
そこで、社会学者のデビッド・メリル氏が提唱した「ソーシャルスタイル」という理論が元となった、自己主張の強弱と、感情表出の強弱で人を4つのタイプに分ける方法で、ファシリテーターに向いている人物を見極めると良いでしょう。
これは私が会社員時代に管理職だったころ、マネジメントに関する研修で知ったものでした。 自分の部下であるスタッフのタイプを理解することで、そのスタッフがもっとも活躍できる場を作ってあげたり、そのタイプを知った上で認めてあげることなどに役立てていました。

この4つのタイプ診断は、人とのコミュニケーションにおいて、上記の図のような4タイプに分類するものになります。
「4タイプ 診断」などで検索をしていただくと、詳しく紹介している記事や、実際にタイプ診断を行うことができます。紹介しているサイトによって、4つのタイプの名称が異なりますが、「自己主張の強弱と、感情表出の強弱で人を4つのタイプに分ける」という点は変わらないので、それぞれの特徴も基本的には同じような内容となっています。
では、この中でファシリテーターに向いているタイプになりますが、「プロモーター」タイプや、「アナライザー」タイプがファシリテーターには向いていると感じます。
プロモーターとアナライザーは自己主張、感情表出で反対の位置にいるのですが、プロモータータイプであれば、会議・ミーティングで「全員を参加者として巻き込む」という仕切る力が強いこと、アナライザータイプでは会議・ミーティングの着地点を理解し、そこから必要なことを計画的に遂行する力を持っています。
「コントローラー」タイプも、リーダーシップや結果・成果主義という点で、ファシリテーターに向いていると言えるのですが、コントローラータイプはリーダーや経営者の方に多く、自己完結となってしまう点があるため、ファシリテーターではなく、参加者としての立場の方が、会議・ミーティングが進行するでしょう。
また、「サポーター」タイプは自らが仕切るというタイプではないため、こちらも参加者として会議・ミーティングに参加した方がよいです。
私は、4タイプがほぼ均等の中で、昔はコントローラー寄りではありましたが、今はプロモーター寄りになっていました。
まとめ
以上が、ファシリテーターを見つける方法でした。
アンケートや4つのタイプ診断を利用し、社員の会議・ミーティングに対する考え方や、その人自身のタイプを理解することで、ファシリテーターとして社内を成長させる人物を見つけてあげましょう。
そして、ファシリテーターをうまく社内で活用することで、会議・ミーティングの質をあげ、会社の生産性を向上させることにつなげていただければ幸いです。
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