フリーランス・個人事業主だから気をつけている!データの管理方法


今回は、私がお仕事で扱ったクライアントのデータの管理方法についてご紹介します。
近年、フリーランスという働き方が注目され、Web制作の業界でも、フリーランス・個人事業主で活動する方が増えました。仕事をご依頼されるクライアントの方からすると、企業に依頼をする以外の新しい選択肢になっているのではないでしょうか。
しかし、「依頼した人が飛んでしまった」「締め切りを守らない」「情報漏えいの疑いがある」など、フリーランス・個人事業主に対して、悪い噂を耳にすることも…。
対企業では『信用』が前提ですからスムーズに依頼をできるかもしれませんが、対個人となると、まずは『信用』があるのか確認する必要があります。
だからこそ、フリーランス・個人事業主はクライアントに『信用』していただき、安心してお仕事を任せていただくことが大事だと考えています。
そこで、今回はいち個人事業主である私が、クライアントの方に安心して仕事を依頼していただくために普段から心がけていることの一つである「クライアントのデータの管理方法」をお話します。
クライアントから提供されたデータや、扱ったデータをどのように管理しているのか、その一例をご覧いただき、少しでも世の中のフリーランス・個人事業主への依頼に対して安心を感じていただければと思います。
私が行っている管理は最低限のものだと思っています。また、フリーランス・個人事業主が全員同じように管理をしているわけではないこともご了承ください。
データの種類
私がWeb制作のお仕事で扱うデータは、主に以下の2種類になります。
- 書類データ
- 制作データ
これら2種類のデータの管理についてご紹介します。
書類データ
書類データは、その名の通り、書類関係のデータになります。具体的には、打ち合わせ内容をまとめた議事録や、クライアントからいただく仕様書・指示書、こちらから発行する見積書・請求書などが該当します。
書類データ
- 議事録
- 仕様書・指示書
- 見積書・請求書
- などなど
そのため、扱うデータはドキュメントやシート形式のものとなります。
制作データ
制作データは、制作物を制作するうえで必要となる素材ファイルや、作業ファイル、納品ファイルなどの実際の制作で使用することになるデータが該当します。
制作データ
- 素材ファイル
- 作業ファイル
- 納品ファイル
- などなど
そのため、扱うデータは画像やテキスト、アプリケーションデータなどになります。
データは必ず2箇所以上に保管する
まず前提として、取り扱うデータは必ず2箇所以上に保管することを原則としています。
1箇所だけだと、データの破損や紛失をしてしまった場合に、復元できなくなってしまう可能性があるからです。
再発行可能な書類や、こちらで用意した素材ならまだよいですが、クライアントが用意した書類や素材などを再度提供してもらうことはもっとも避けたいです。
データの破損や紛失は頻繁に起こることではありませんが、万が一を想定して、常に2箇所にデータが保管される形をとっています。
また、納品前、納品後で保管方法は変えているので、その点を含め、次のセクションにて詳しくお伝えしたいと思います。
書類データの管理
書類データは、納品前と納品後で以下のようにデータの管理を行っています。
議事録の管理
議事録は、クライアントとの打ち合わせにてこちらが必要だと判断した場合に作成することになるデータです。そのため、クライアントに提供することは基本ありませんが、こちらの内部資料として管理を徹底しています。
現在、議事録はGoogleドキュメントで作成しているため、基本的な保管先はGoogleドライブになります。
もう一つの保管先としては、Googleドライブと同期を行っているPCのストレージです。また、PCはMacのTime Machineを利用し、1時間おきにバックアップを行っているため、バックアップデータとして外部ストレージにも保管されるようになっています。

議事録は納品後も同じ保管形態をとっています。
極力Googleのサービスを使用したくない教に入教している私なのですが、手軽にドキュメントを作成できることや、共同編集、共有のしやすさから使用しています。
ただ、最近はNotionというサービスを利用するようになり、議事録もNotionで行おうかと環境の変更を考えています。
仕様書・指示書
クライアントから共有いただく仕様書・指示書は、形式がさまざまです。
Microsoftのワードやエクセル、パワーポイントといったソフトで作成されたデータをいただくこともありますし、Googleドキュメント、スプレッドシート、スライドで共有いただくこともあります。
他にもデータのいただき方はさまざまですが、クライアントから共有いただいたデータは必ずPCストレージに保存するようにしています。先ほど挙げたGoogle系のサービスで作成されたものであってもです。
それは、管理上データを探しやすくするためと、内容の齟齬が生まれないためです。例えばGoogle系のサービスの場合、こちらでデータを確認したあとに、クライアント側で再編集されてしまったら、その編集内容を伝えていただかなければ気づけずに制作を進めてしまうといったトラブルになりかねません。「見た、見てない」「言った、言わなかった」ということになってしまうので、共有いただいた状態のデータを保管することで双方のトラブルを防ぐことにもなります。
そういった理由から納品前だとこのような形でデータを取り扱っています。

そして、納品後の場合は、このような管理になります。

PCに保管していたデータは、納品後に2つの外部ストレージにデータを移行します。
一つは年別にお仕事のデータをまとめているUSBメモリ型のストレージです。
もう一つは、同じく年別にお仕事のデータをまとめているストレージなのですが、いつでも再アクセスできるようにNASのストレージになっています。
NASとは、ネットワークHDDとも呼ばれ、ネットワーク上に接続することができるHDDです。
同一ネットワーク上からHDDを直接PCに接続せずともデータを扱えることや、外部からもリモートでアクセスすることが可能です。
こうすることで、どちらかのストレージが破損しても一方からデータにアクセスすることができますし、片方をNASにしておくことで、クライアント先で、必要なデータにアクセスすることもできます。
見積書・請求書
こちらで発行することになる見積書や請求書といった書類は、PDFデータが主になります。
また、クライアントからいただく発注書などの書類もPDFが主になるため、納品前であれば、共有してPCで管理するようにしています。

そして、納品後は仕様書・指示書などと同様で、外部ストレージにデータを移行します。

制作データの管理
制作データは、素材ファイル・作業ファイル・納品ファイルといくつかに種類を分けていますが、データの管理は共通です。
納品前では、PCのストレージと、そのPCのバックアップで管理しています。

また、納品後は書類データの一部と同じように、外部ストレージでの保管となります。

制作データの場合は、納品後に改めて追加修正が発生する場合や、過去の制作を元に行うケースなどがあるため、NASを利用して、外部ストレージに気軽にアクセスする方法での管理が非常に便利だと感じています。
また、制作データに関しては、どこに保管管理をしているのかは今回のような図になりますが、どのように保管しているのかというディレクトリの管理方法に関しては、機会があればご紹介したいと思います。
まとめ
このように、書類データ・制作データは、最低2箇所以上でデータを保管管理するようにしています。
この記事でご紹介したようなことは、クライアントにわざわざ伝えているわけではありません。本来であれば、こういったデータの取り扱いは当たり前に行われなければいけないことだからです。
冒頭でも伝えたように、クライアントの方は対個人に対して、さまざまな不安を抱えていることと思います。少しでも、フリーランス・個人事業主のこういった取り組みを見ていただき、安心して仕事を依頼していただけるパートナーとしてお選びいただけたら嬉しいです。