【連載】IA(情報設計)とUXの関わりについて①

ディレクション
ホンマ ヒロミツ
ホンマ ヒロミツ

近年webサイトやアプリケーションをはじめとするデジタルクリエイティブには機能性だけではなく使い勝手の良さが求めらるようになり、当然のごとく実装されていることがデフォルトになりつつあります。
その上でよくみられるようになったワードがUXデザインやUIデザインというようなワードです。
特にUXについてはさまざまな解釈で捉えられている傾向にあり齟齬が起きやすい印象があります。
今回から数回に分けてUXに焦点を当ててIA(情報設計)との関わりや本来UXの定義などについてまとめていきます。

名前

事前に以下の記事を読んでおくとより内容がわかりやすくなりますのでぜひご一読ください。

そもそのUXとは何か

UXというワードを目にしたり耳にしたりする機会は数年前に比べるとかなり増えてきて、webサイトの制作やアプリケーションの開発の現場では一般的に使われるようになってきました。
ただ、UXというワードそのものの理解や解釈が企業や個人によってまちまちであることも多くUXを明確に説明できる方は少ないかもしれません。

  • 言葉は知っているけど感覚的な理解をしている
  • みんなが使っているのでニュアンスとして把握している

ということが多いように感じます。

UXの定義について

UXはUser Experienceを訳したものです。

近年の新しいワードのように感じる方も多かもしれませんがそれなりに古い歴史を持っており、国際規格ISO9241-210で説明がされています。

a person’s perceptions and responses that result from the use or anticipated use of a product, system or service

ISO9241-210原文

製品、システムまたはサービスを使用した時、および使用を予測した時に生じる個人の知覚や反応

和訳

UX=ユーザー体験という説明がされている理由は、「個人の知覚や反応」の部分にフォーカスを当てているからだと思います。
原文の和訳の状態だとまだまだわかりづらいのでクライアント企業に説明する場合はIA(情報設計)と合わせてご説明するように心がけています。

Wepotの場合では要件定義、IA(情報設計)を経てデザイン・実装までのマイルストーンごとの設計や環境、公開後の運用と改善も視野に入れて設計をしているということをご説明させていただくことが多いです。

UXの歴史

先述した通りUXそのものは以前からある概念ですが、近年よく耳にするようになったという方は多いのではないでしょうか。
UXはIA(情報設計)とも深く関わっているためかなり専門的な領域であるとも言えますが、なぜUXが重要視にされるようになったのかその経緯を少し解説していきます。

UXが必要とされるようになったのは、利用者が求める価値が時代とともに変化してきていることに由来しています。
以前はシステムやプロダクトそのものに焦点が当てられており、それらの性能や機能を充実させることが重要視されていました。
性能や機能が充実していく過程でコンピューターの性能が人の計算速度を超え、操作性も複雑化し扱える人が少ないという課題が生まれました。
便利なものを便利なものとして使えるようにするには、多くの人が使えるように設計をしていく必要があります。
そこで人間中心に設計していくという考え方が加速したと言われています。

UXが重要視されるようになった背景には機能が充実し性能が強化されたものの、人が使うには複雑化しすぎたという背景から人間中心設計(HCD)という考え方が生まれたことで使いやすさなどがより注目れるようになりました。

名前

HCD(人間中心設計)は国際規格であるISO9241-210により6つの原則が定められています。
今回の記事では解説しませんが今後HCD(人間中心設計)についての記事も執筆していく予定です

UXの概念について

多くの場合UXについてはサイトやアプリケーションなどのサービスの利用中にフォーカスを当てて、利用者の使い勝手などを調査し改善を行うことが多いようです。
私自身もそういったタイミングでのUX改善やUI改善ということでご相談をいただくことが多いのですが、本来UXは利用者が利用し始めてから改善点を見つけるのではなく設計段階から時間軸で考えていく必要があり、基本的には繰り返しのシステムと言えます。

UXの設計は単にUXとして一括りに考えるのではなく、それぞれのフェーズも踏まえて設計することが重要です。このようにUXは利用時間全体の積み重ねとなる累積的UXというフローを踏まえて設計していきます。

まとめ

次回はUXの概要となる内容を解説しました。
UXはIAに内包されており、IAもまたUXの一部であると考えています。
次回はもっと突っ込んだ内容の記事を公開する予定です。

この連載ではIA(情報設計)の重要性やUXの設計に加え、HCD(人間中心設計)についてわかりやすくまとめていきますのでこれらの考え方や重要性がより多くの方に知ってもらえれば幸いです。

ご依頼・ご相談はこちら

お客様の課題解決に最適なメンバーアサインでスムーズなプロジェクト進行をいたします。制作して終わりではなく、お客様が求める成果に結びつくご提案をさせていただきます。

この記事がシェアできます

この記事を書いた人
ホンマ ヒロミツ

ホンマ ヒロミツ
プロジェクトマネージャー / ディレクター

ホンマ ヒロミツ
プロジェクトマネージャー / ディレクター

PM(プロジェクトマネージャー)/ディレクターとして主にBtoBやBtoBtoC向けサービスや、サイトの制作・システム開発に多くコミットしてきましたが、クライアントを含めたチーム作りを常に考えています。

  • Wepotについて

    アイコン

    Wepotはデジタルクリエイティブで課題を抱えるすべての人への解決策を提示できます。

  • 実績一覧

    アイコン

    Wepotには多種多様な実績があります。メンバーの強みが生きた実績をご覧ください。

  • 制作のご相談

    アイコン

    現在の課題やお悩みをお聞かせください。あなただけのクリエイティブチームを編成し解決へと導きます。