【Web担当者必見!?】業界歴10年以上のディレクターが解説するIT用語集 –要件定義編–


前回は【Web担当者必見!?】業界歴10年以上のディレクターが解説するIT用語集 –インターネット編–という記事を書きましたが、今回はその続編である「要件定義編」として用語解説をしてきます。
制作会社との意思疎通をする上で齟齬をなくすために少しでも参考になれば幸いです。
前回のインターネット編の記事はこちらです。

【Web担当者必見!?】業界歴10年以上のディレクターが解説するIT用語集 – インターネット編 –
Web制作における用語を少しでも多く知っておくと便利ですので少しでも参考になれば幸いです。
目次
RFP(Request for Proposal)
RFPとはRequest for Proposalの略で、日本語では提案依頼書と呼ばれます。
つまり依頼する側が制作する側へ要件書を渡し要件に対して提案を依頼するための書類のことです。
RFPの精度が高ければ高いほど制作側に要件を伝えやすくなると言えます。
RFPの内容として概ね以下のような内容があると我々制作側はとても助かります。
- 要件概要
- 制作依頼をするにいたった背景
- 制作をする目的
- 制作することで達成するべきゴール
- 納期
- 予算(暫定でも可)
などが挙げられます。
制作会社によっては上記に挙げた以外にもあると望ましい情報があるかもしれませんが、Wepotとしてはこれらの内容が揃っていれば初期のご提案としては概ねご満足いただけるご提案をすることができると考えています。
依頼する側の企業としてはRFPを作ることは手間でもあるので、打ち合わせによる情報伝達で済ませたいと考える企業もあるかと思います。
そういう場合は上記の内容をヒアリングさせていただきWepot制作メンバーが議事録や要件定義書を作成することでまとめていく形を取らせていただくことも可能です。
RFPを作成するメリット
制作を依頼する企業側がRFPを作成するメリットを以下のようにまとめてみましたので参考になれば幸いです。
適切な要件伝達
RFPのメリットで最も大きいと考えられるのがこちらです。
RFPを作成することで依頼する制作会社へ伝えるべき要件の抜け漏れを防ぐことができ、制作会社側でもRFPを制作メンバーに共有する際に齟齬が起きることを防ぐことができます。
依頼内容の見直しができる
RFPには要件の概要を記載する上で、なぜ制作を依頼するにいたったのかという依頼背景や目的、そして最終的なゴールを記載することになります。
それらをまとめることで企業内での課題やそれをどのように解決したいのかという点を改めて洗い出すことにも役立ちます。
複数の制作会社に提案依頼をするのに役立つ
RFPというのは多くの場合複数の制作会社に提出することがあるはずです。
提出する制作会社ごとに伝える内容が変化したり、齟齬がある状態で要件が伝わることを防ぐことができるため要件の伝達を効率よく伝えることができます。
そのためそれぞれの制作会社からの提案内容を比較しやすくなるため評価もしやすくなります。
口約束によるトラブルを防ぐ
よく聞かれるトラブルとして多いのが、口約束のような形で要件を伝えたことにより正しく情報が伝わらずに提案されたデザインなどが思ったものと違ったというようなものです。
曖昧な要件の伝達によってトラブルに発展したという話はよく聞かれます。
それらを防ぐためにもRFPは役立ちます。
デメリット
RFPの作成にはデメリットもあります。
最大のデメリットは発注前に作業負担が増えることが挙げられます。
特に制作会社への発注をし慣れていない企業にとっては、伝えるべき要件を抽出するのは思わぬコストになることが予想されます。
しかしながら、正しく情報を伝達し予期せぬトラブルを防ぐためにRFPは重要な資料となりますのでしっかりとしたものを作成することをご検討いただければと思います。
要件定義/要件定義書
Wepotでは要件定義書をクライアントと制作側が齟齬なく情報を共有するためのコミュニケーション資料の一つであると捉えています。
要件定義書によりお互いの共通言語を作っていくようなイメージを持っていただければより具体的にイメージしやすいのではないでしょうか。
要件定義書は読んで字のごとく、デザインや実装に求める要件を整理した情報を制作側からクライアント企業側へ提出する書類ですので、お打ち合わせを重ねる中で作成していきます。
RFPの内容と重複する部分は出てきますが、RFPをもとに制作会社側が提案をし、提案した内容に対して議論をすることで要件の内容をより詳細に定義していくことができます。
また、要件定義書にはデザインや実装に求める要件を定義するだけではありません。
要件定義書も企業によって内容が異なる場合もありますが、Wepotでは暫定スケジュールや暫定のお見積もりを記載する場合もあります。
可能であれば要件定義はしっかりと時間を確保し議論することで精度の高いものを作成することをお勧めします。
要件定義についてはこちらの記事で細かく解説をしています。

Webサイト制作を成功させる要件定義書【作り方・ポイント】
IA(情報設計)
IAはInformation Architectureの略で、情報設計という訳され方をしていることが多いです。
IAについてwikipediaで調べてみると以下のように書かれています。
「情報をわかりやすく伝え」「受け手が情報を探しやすくする」ための技術およびデザインに関する分野である
ここでいうデザインというのは設計のことを指しています。
IAについてはクライアント企業の要望に合わせてさまざまな調査・分析を行うことで適切な情報を導き出すことが求められます。
この調査や分析はクライアント企業の要望に合わせて都度必要なものを選択していきますので、同じ企業様からの要望であっても必ずしも毎回同じ手法を用いるというわけではありません。
あくまでも要件や要望に対して適切な調査と分析をするというのが重要です。
IAについては今後記事を作成する予定でいますのでその際に細かく解説していきますが、この記事のテーマである用語を知るという意味ではwebサイトなどを作る際の設計手法にIAというものがあるというように覚えていただければ問題ありません。
Webサイトの制作においてIAでは以下の要素を策定していきます。
- 必要となるページの割り出し
- ディレクトリマップの作成
- 各ページに掲載するコンテンツの割り出し
- UI(ユーザーインタフェース)の設計
- 運用方法の策定
などです。
これらをもとにワイヤーフレームを作成していきます。
ワイヤーフレーム
ワイヤーフレームは一言で言うとIAで導き出したさまざまな資料を可視化したものと考えていただければ良いでしょう。
IAによって導き出した情報をコンテンツ化し、それらの掲載順などをまとめたものになります。
ワイヤーフレームでは基本的にはデザインの要素は入れずに、コンテンツの順番や文言の確認や必要となる画像の枚数などを確認するものです。
このワイヤーフレームをもとにデザインを作成していくので、デザインのための仕様書としての役割も持っています。
参考までに講演依頼.com様のLPを制作させていただいた時のワイヤーフレームと、その解説書の一部を掲載いたします。
※制作実績として公開の許可をいただいておりますので実績一覧ページにて公開させていただいております。


講演依頼.comさまLPページは以下のURLからご覧いただけます。
meta情報
Webサイトの制作を制作会社などに依頼をしたご経験のある企業のご担当者様であれば聞いたことのある言葉かもしれません。
Webサイトの制作を進めていくと必ず出てくるのがmeta情報です。
このmeta情報には様々なものがありますが、今回はwebサイトを制作する上で必ず必要な3つのmeta情報について解説します。
title
こちらはtitleの名の通りwebサイトの各ページに設定するタイトルです。
各ブラウザのタブ部分にも表示されるものなので、ユーザーにとっても重要な目安になると言えます。
以下はWepotの記事一覧ページのtitleとGoogle Chromeのタブに表示された状態です。

description(ディスクリプション)
descriptionはページごとに設定するページの説明文にあたるものです。
Google検索などで検索結果として表示された場合に、説明文のようなものが表示されています。
その説明分がdescriptionで設定したものとなります。
descriptionは全角120文字前後で設定するのが理想的です。
全角120文字を超えると超えた分の文章が「・・・・」となり省略されて掲載されるためです。
検索結果の画面に表示されるものですので、ユーザーにとってはそのサイトに訪れるかどうかを決める意思決定のための重要な要素と言えます。
Wepotの記事ページ一覧のdescriptionは次の画像のように表示されています。

OGP(Open Graph Protocol)
OGPはSNSなどでwebページやブログなどをシェアしたりされた際にページ情報を表示させるための仕組みです。
OGPを設定するメリットとしては、SNSなどでシェアされた際にwebページやブログ記事の内容が視覚的にわかりやすい状態でユーザーに伝えることができるというところにあります。
OGPをHTML上で設定する場合は、webサイトやwebページのtitleやdescriptionの設定と同じように表示したい項目を記述します。
OGPの設定とシェアされた時の掲載イメージは以下の通りです。

まとめ
いかがでしょうか。
要件定義の際に頻繁に使用される用語の中で制作会社とのコミュニケーションで特に役立つ用語を解説しました。
これらの用語を知っているだけで要件定義だけでなくRFPを作成する際にも発注する側と制作する側の齟齬を減らすことができるのではないでしょうか。
Wepotではweb制作の現場やITの業界で使われる様々な用語をなるべくクライアント企業やユーザーに合わせた言葉を選び使うように心がけてはいますが、クライアント企業から制作側に要件や要望を伝える際には苦労をされている企業も多くいらっしゃると思います。
制作会社との意思疎通を取るために覚えておくと便利なこれらの用語をぜひ参考にしてみてください。